11/30(土)灘区まちなみ建築探訪開催

akatonneru11/30(土)年末恒例の灘区まちなみ建築探訪を開催します。第15話は「JR摩耶新駅を巡る冒険」と題して、工事が進むJR新駅(旧東灘貨物駅)周辺で明治から昭和にかけての街の痕跡を探すツアーです。10:00JR灘駅南口集合・参加費無料・申し込み不要


第9期 灘大学学生募集

神戸の東南 ミカゲの隣
聳ゆる摩耶がね われらが母校

灘小、灘中、灘高があるのなら、灘大があってもいいじゃないか。
そんなノリで開校した灘大学も第9期を迎えます。
様々な切り口の講座やガイドウォークを通して、今まで知らなかった灘と出会ってください。
10月開講です!

第1回 水道筋グルメツアー[ツアー]
日時:10月5日(土)10:00~12:00
内容:水道筋グルメを味見しながらのウォーク(飲食費は別途要)

第2回 摩耶山ヒストリックトレイルハイク[ウォーク]
日時:11月2日(土)10:00~12:00
内容:摩耶古道を歩く歴史ウォーク

第3回 キングジョー追悼神戸港クルーズ
日時:12月7日(土)10:00~12:00
内容:キングジョー水没地点を船で訪れます

第4回 「その街のこども」上映会[映像鑑賞]
日時:1月18日(土)10:00~12:00
内容:灘で撮影された「その街のこども」の上映会

第5回 酒蔵の街探訪[ウォーク]
日時:2月8日(土)10:00~12:00
内容:西郷地区の歴史探訪と新酒を味わう講座

第6回 摩耶山料理教室
日時:3月29日(土)
内容:簡単に作れるアウトドア料理を伝授(材料費は別途要)

●受講料
全6講座 「灘百選の会」会員 1,500円 非会員 3,000円
※受講料は第一回目の会場にてお支払いください 
※当日「灘百選の会」へ入会することも可能です(500円)
※受講料の払い戻しはできません

●申込方法
・区役所で
灘区役所4F「灘百選の会」事務局(まちづくり課内)にある申込書に必要事項を
記入のうえお申し込みください。
・はがきで
住所、参加人数(グループ申込は2名まで)、氏名、電話番号、灘百選の会の会員・非会員
を記入の上、下記住所までお申し込みください。
657-8570(住所不要)灘区役所まちづくり課内「灘百選の会」事務局
・メールで
住所、参加人数(グループ申込は2名まで)、氏名、電話番号、灘百選の会の会員・非会員
を記入の上
info@nadatama.com
「ナダタマ灘大学係」までお申し込みください。
※定員40名。申込多数の場合は抽選になりますのでご了承ください。
※ご記入いただいた個人情報につきましては、本講座以外での使用は一切いたしません。

●問い合わせ
「灘百選の会」事務局 TEL:078-843-7001(内線223)

灘大学パンフレット13_表


6月5日 中郷町(ナダタマアーカイブス)

昭和20年6月5日。神戸、そして灘区が猛火に包まれた日。
8月5日の空襲と合わせて灘区の被害は、死者808人、全焼・全壊家屋18068戸、罹災者74102人とされているが、届け出のあったものだけに限られているので、実数はさらにこれを上回る凄惨なものだった。
当時、中郷町3丁目に住んでいた野坂昭如はこの時の空襲体験をもとに戦争文学の名作『火垂の墓』を書いたのは、灘クミンならよくご存知のことと思う。
この時、同じ中郷町にもう一人の少年がいた。
野坂の家(養父張満谷家)から目と鼻の先の中郷町2丁目に住んでいた少年が、後の桂枝雀となる前田達少年だった。
神戸空襲のとき、野坂は15歳でが前田少年は5歳。その時の記憶を野坂は小説にしたが、枝雀師匠は落語の枕にした。「貧乏神」という気の弱い神様の話の枕が『上方
落語 桂枝雀爆笑コレクション〈4〉萬事気嫌よく』(ちくま文庫)に収録されている。

エー、昭和20年に大空襲がございます。
神戸は6月でございました。大阪は、エー6月ではなかったのかと思いますが、えらい空襲でございました。
ご承知の方はご承知でしょうが、親父がブリキ職でございまして、まあ、職人でございますから、仕事場にでございますね。神棚がしつらえてございまして…

前田家は灘区中郷町2丁目でブリキ店を営んでいた。
仕事場には神棚があり、朝に夕べに祈りをささげていたという。
近所の徳井神社の氏子だったのかもしれない。
6月5日、中郷町にも空襲警報が鳴り響く。
いつもは警戒警報だったのが、この日は違った。

「今日も大丈夫やろう」言うてましたら、その日に限って
「空襲警報ォ!」
ダルゥドゥズバババババババババァー…
「えらいこっちゃー!お母ちゃん、空襲やー」
言うたらね、そのね、朝晩拝み上げていた神棚の
神さんね、一番にドタッ。
落ちてこられたんでございますねえ。
嘘でもねえ、朝晩拝み上げている神さんでございますから、もーちょっと頑張ってもらいたかたんですが、ねえ…

神様が先に落ちてきて、その後に実の姉が落ちてきて、「姉はようがんばったのに、神様は…」というオチ。灘区を焦土と化した空襲だから、もっと緊迫感があったに違いないが、枝雀師匠は「頼んない神さんでございましてね。」とおどけてみせる。
悲惨な状況を笑いへと転化するという、彼の落語理論だった「緊張と緩和」の実践。
そして戦時下の「神への妄信」を、軽やかに揶揄する批評精神。

同じ神戸大空襲を描きながら、方や悲劇的な物語を、方や喜劇的な噺を。
灘区中郷町という小さな街の小さな奇跡だ。

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桂枝雀の生家があった中郷町2丁目から野坂昭如が暮らしていた中郷町3丁目を望む

(ナダタマ 灘文化堂「6月5日 中郷町」2011.6.6より)


其の218 灘宝文館閉店の巻(灘道中膝栗毛)

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タマ「元町の海文堂が9月で閉店らしいっす!」
ナダ「じぇじぇじぇ!」
タマ「じぇじぇ使うのやめてください」
ナダ「そんでもって灘区は灘宝文館が7/31で閉店だぜ!どーすんだよ」
タマ「え〜!閉店しちゃったんすか?」
ナダ「子どもたちは教科書どこで買えばいいのさ」
タマ「amazonとか?」
ナダ「馬鹿野郎!なんでもamazonで買う、お前みたいなヤツが町の本屋をダメにしてんだよ!」
タマ「確かにamazonで買っちゃもんな。でも寂しいな」
ナダ「何を今さら寂しいな、だ!ロクに本屋で買い物もせずに、なくなったら寂しいなんて言うヤツが一番嫌いだ」
タマ「じゃ、どうすればいいんですか?」
ナダ「街の本屋をamazonにしよう」
タマ「意味分かんない」
ナダ「店の中には釣り堀だな、ゲームも置こう」
タマ「すでに本屋じゃなくなってますけど」
ナダ「たまに店の前で中学生が小競り合い」
タマ「あのー、そのamazonって水道筋6丁目にあったアマゾン水族館じゃ」
ナダ「つまりだな、グローバルなamazonに対抗するには、ローカルなアマゾンだよ」
タマ「そこに展開するのかよ」
ナダ「本棚には水槽」
タマ「まさか水槽では海女がにっこり微笑むとか」
ナダ「じぇじぇ!!」
タマ「じぇじぇじゃねーよ」


其の217 土用の丑の巻(灘道中膝栗毛)

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タマ「昨日の土用の丑の日、鰻食べました?」
ナダ「畑原市場で奮発して3000円の買って食った」
タマ「おお、豪勢っすね」
ナダ「馬鹿野郎、ブラックな居酒屋チェーンで3000円使うよりよっぽど有意義だっつーの」
タマ「ま、そりゃそうでしょうけど」
ナダ「しかし水道筋は鰻をどこで買うのか迷っちゃうね」
タマ「それぞれおいしいですもんね」
ナダ「参議院選挙の迷い方とえらい違いだぜ」
タマ「選挙と比べるかな」
ナダ「大阪鰻構想をでっちあげるような店もなかったし」
タマ「そんなもん構想するなよ」
ナダ「鰻も右派と左派があるの知ってるか」
タマ「なんすか?それ」
ナダ「摩耶山を背にして水道筋の左で売っているのが左派鰻、右が右派鰻」
タマ「普通に東、西でいいじゃないですか」
ナダ「ところが畑原市場の再開発でねじれているのが今回の土用の丑選挙だ」
タマ「なんかややこしいな」
ナダ「ところで、お前はどこの鰻に入れた」
タマ「ウチは居合です」
ナダ「お、与党だな」
タマ「確かにメジャーですけど」
ナダ「都賀川に鰻を取り戻す!だったっけ?」
タマ「そんなこと言ってないってば」


東神戸を走れ〜クミンたちは灘の街を駆け抜けた・前編〜(プロジェクトN)

風の中のすばる 砂の中の銀河
 灘区の歴史と文明を劇的に変えるのはプロジェクトである。
 今回お送りするのは、様々な灘のプロジェクトを紹介するシリーズ
 「プロジェクトN~灘の挑戦者達」。
 メルマガ「naddist」の人気シリーズ「プロジェクトN」が8年振りに復活。

2010年9月8日、第1回「神戸マラソン」が2011年に開催されることが発表された。
日本マラソン発祥の地、神戸に相応しい大会ではあるが、このマラソンに疑問を持つ灘クミンもいた。
問題はコースだった。
ポートアイランドから西へ向かい舞子で折り返すコースが設定されていた。
あの増田明美が5000m、10000mで日本記録を出した兵庫リレーカーニバルが開催されていた王子スタジアムがあり、摩耶山でトレーニングを積み、第1回東京国際マラソンで優勝を果たした喜多秀喜を輩出した神戸製鋼所がある神戸東部をマラソンコースから外すという。
神戸マラソンを名乗りながら神戸市東部の灘区、東灘区を走らないマラソン。
信じられなかった。

増田明美が5000m、10000mで日本新記録を出した王子スタジアム

増田明美が5000m、10000mで日本新記録を出した王子スタジアム

交通規制云々、経済効果云々、様々な憶測が流れた。
水道筋で焼鳥店「チンタ本店」を営む東灘区出身のT本も同じような疑問を持っていた。
急遽、深夜の「チンタ」で神戸マラソン対策会議が開かれた。

「そういえば神戸マラソンやりますね」
「灘区走らんからどうでもええけど」
「神戸の半分だけ走って神戸マラソンとか、しょーもない」
「ボクらだけで走りましょか」
「お、いいね〜。コース外れた灘区、東灘区を走るマラソン」
「名前どうしましょ」
「神戸マラソンブレロとか」
「ラテン系もええな。神戸デル・コラソンとか」
「一見神戸マラソンに見える、神戸マランソとか」
「シンプルに東神戸マラソンとか」

そうだ、自分たちで神戸マラソンを外された街を勝手に走ろう。
時計は午前0時を回っていた、酩酊の中、紆余曲折を経て結論が出された。
東神戸マラソン。
42.195kmを勝手に走るという無謀な草レースの開催が決まった。

プロジェクトが画策された水道筋・畑原市場[チンタ本店]現在は水道筋商店街に移転(写真:白石卓也)

プロジェクトが画策された水道筋・畑原市場[チンタ本店]現在は水道筋商店街に移転(写真:白石卓也)

「で、naddistさんも走りますよね?」
「え?いやオレはフルマラソンなんて無理やって」
「あきませんよ。言い出しっぺがやらなアカンのはこの街のルールやないですか」
「いや…あの…それは…そうやけど…」
「何言うてるんですか。走りましょうよ!」
「ま、マジで…」

ヘッドラ~イ テールラ~イ・・・・・・・・・・・

こうして壮大な草レースプロジェクトはスタートした。
しかし、naddistは少し後悔していた。
まさか自分が走るなんて。
フルマラソンなんて走れるのか?
いや無理だろ?オレ

ヘッドラ~イ テールラ~イ・・・・・・・・・・・

(つづく)

神戸マラソンの開催回数を上回ってしまった
 「第5回東神戸マラソン」は神戸マラソンと同じ11/17(日)開催
 詳細はこちら
 東神戸マラソン公式ロゴ(デザイン:JUNBOw)

東神戸マラソン公式ロゴ(デザイン:JUNBOw)


357食目 SORA「辛口チキンカレー」(灘の昼ごはん)

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坂バスのバス停で路線図を眺めていたらカレーが食べたくなった。坂バス=摩耶山=法道仙人=インド=カレーという単純な思考が始まると灘の夏は近い。ということで灘の昼ごはんリニューアル特別企画は坂バスに乗ってカレーをはしごすることにした。カレーを食べながらインドな摩耶山を目指す。なんか巡礼の旅チックでワクワクするでしょ。で、「灘の昼ごはん」はグルメブログではないので、今回の旅はカレーの味ではなくビジュアルにこだわることにする。カレーの佇まい、すなわちライスが摩耶山でルーが海、つまりカレー皿の中にいかに灘の世界感が表現されているかに注目したい。まずは岩屋のカレーショップ[SORA]から始めることにした。カレーメニューは和牛牛筋、スパイシーキーマ、辛口チキン三種。「ピリっとインド風に仕上げました」というコピーにひかれチキンカレーをチョイス。平面的なライスの盛りではあるが、中央部がキリっと立ち上がり、摩耶山のシルエット思わせる独立峰っぷりがいい。HAT神戸のビル群を表すかのようなチキンの肉片の配置、そしてなだらかに大阪湾に流れ出すルーのシャバシャバ感、奇を衒った感もなく忠実なジオラマ感あふれる灘カレーだ。

SORA「辛口チキンカレー」
●場所
神戸市灘区岩屋中町5(阪神岩屋駅南西)
●本日の昼食
辛口チキンカレー
750円

「灘の昼ごはん」356食以前のバックナンバーはこちら


其の216 坂バス定期券の巻(灘道中膝栗毛)

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ナダ「ええーい!控えー!控えおろう!この定期券が目に入らぬか!」
タマ「すっげ、坂バスの定期!」
ナダ「灘クミンでもほとんどもってない坂バス通勤定期であらせられるぞ!」
タマ「確かに使ってる人見たことないや」
ナダ「しかも坂バスに乗る時『それじゃ乗れません』て言われるんだぞ!」
タマ「それって運転手さんも知らないってことっすよね?」
ナダ「頭が高〜い!」
タマ「頭が高いっつか、一ヶ月8400円って結構高いな」
ナダ「馬鹿者!これで7時20分の始発から21:00の終バスまでの42便全て乗れる」
タマ「確かに@200円×42周=8400円」
ナダ「1日で元がとれる」
タマ「いや、2台で運行してるから無理っす」
ナダ「それにこの燦然と輝く〈通勤〉の文字!」
タマ「通勤定期なのになんとなく浮かれたデザインがいいっすね」
ナダ「しかも通勤定期なのに〈みなと観光バス〉ってのもステキ」
タマ「朝の憂鬱な通勤タイムも観光バス気分ってことか」
ナダ「あとは南野陽子がバスガイドとして乗ってくれたらいうことなしだよな」
タマ「事務所がゆるさんぜよ」

其の215以前のバックナンバーはこちら


ナダタマ、リスタートします

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ご無沙汰しております。naddistです。
フリーペーパー「naddism」(1997年〜)、メールマガジン「naddist」(1998年〜)ポータルサイト「ナダタマ」(2006年〜)と灘区をユルユルと紹介してきましたが、満を持してxoopsで構築した「ナダタマ」は「めくるめく感」にこだわった満艦飾風情が仇となり、太平洋戦争末期の連合艦隊のごとく沈没しかけましたので、この度小さなヨットに乗りかえ、ブログサイトとして新たに船出することにしました。アドレスも初心に戻り「naddist」の名称を復活させました。引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

最初のエントリーは水道筋から小さなヨット「コラーサ号」で大西洋横断を試みた灘区が誇る冒険家、鹿島郁夫氏の名著「コラーサ号の冒険」の表紙で飾りたいと思います。彼のチャレンジクミンスピリットを胸に、ぼちぼちと灘冒険にこぎ出したいと思います。エンヤコラーサ♪

(従来のナダタマもアーカイブスとして残しています。左コラムのリンクからどうぞ)