風の中のすばる 砂の中の銀河 灘区の歴史と文明を劇的に変えるのはプロジェクトである。 今回お送りするのは、様々な灘のプロジェクトを紹介するシリーズ 「プロジェクトN~灘の挑戦者達」。 メルマガ「naddist」の人気シリーズ「プロジェクトN」が8年振りに復活。
2010年9月8日、第1回「神戸マラソン」が2011年に開催されることが発表された。
日本マラソン発祥の地、神戸に相応しい大会ではあるが、このマラソンに疑問を持つ灘クミンもいた。
問題はコースだった。
ポートアイランドから西へ向かい舞子で折り返すコースが設定されていた。
あの増田明美が5000m、10000mで日本記録を出した兵庫リレーカーニバルが開催されていた王子スタジアムがあり、摩耶山でトレーニングを積み、第1回東京国際マラソンで優勝を果たした喜多秀喜を輩出した神戸製鋼所がある神戸東部をマラソンコースから外すという。
神戸マラソンを名乗りながら神戸市東部の灘区、東灘区を走らないマラソン。
信じられなかった。
交通規制云々、経済効果云々、様々な憶測が流れた。
水道筋で焼鳥店「チンタ本店」を営む東灘区出身のT本も同じような疑問を持っていた。
急遽、深夜の「チンタ」で神戸マラソン対策会議が開かれた。
「そういえば神戸マラソンやりますね」
「灘区走らんからどうでもええけど」
「神戸の半分だけ走って神戸マラソンとか、しょーもない」
「ボクらだけで走りましょか」
「お、いいね〜。コース外れた灘区、東灘区を走るマラソン」
「名前どうしましょ」
「神戸マラソンブレロとか」
「ラテン系もええな。神戸デル・コラソンとか」
「一見神戸マラソンに見える、神戸マランソとか」
「シンプルに東神戸マラソンとか」
そうだ、自分たちで神戸マラソンを外された街を勝手に走ろう。
時計は午前0時を回っていた、酩酊の中、紆余曲折を経て結論が出された。
東神戸マラソン。
42.195kmを勝手に走るという無謀な草レースの開催が決まった。
「で、naddistさんも走りますよね?」
「え?いやオレはフルマラソンなんて無理やって」
「あきませんよ。言い出しっぺがやらなアカンのはこの街のルールやないですか」
「いや…あの…それは…そうやけど…」
「何言うてるんですか。走りましょうよ!」
「ま、マジで…」
ヘッドラ~イ テールラ~イ・・・・・・・・・・・
こうして壮大な草レースプロジェクトはスタートした。
しかし、naddistは少し後悔していた。
まさか自分が走るなんて。
フルマラソンなんて走れるのか?
いや無理だろ?オレ
ヘッドラ~イ テールラ~イ・・・・・・・・・・・
(つづく)
神戸マラソンの開催回数を上回ってしまった 「第5回東神戸マラソン」は神戸マラソンと同じ11/17(日)開催 詳細はこちら