喫茶店に行くことを「茶しばく」というが、灘区ではパンダを見に行くことを「パンダしばく」と言う(略してパンしば)。それだけ街とパンダが近いということだ。灘区は動物園を普段使いすることができる獣住近接の街だ。「時間空いたからちょっとパンダしばこか?」なんて気負うことなくゲタ履きでパンダに会いに行ける街なんてそうない。パンダといえば上野動物園と白浜アドベンチャーワールなわけで、誰も神戸の灘にパンダがいることなんて知らない。王子動物園?どこそれってなもんである。ポートピア81から数えると40年近いパンダ歴があるにもかかわらず、だ。でもそれがいい。できることならパンダがいることも隠しておいて欲しいくらいだ。平日の昼間、閑散とした園内でダラダラしている旦旦を見ると「お前、灘で良かったよな」と声をかけたくなる。すっかり初夏の陽気の土曜日、区界のミュージアムカフェでカレーをしばいた。店名の「ぱんだかふぇ」というフワフワした語感の斜め上をいく横尾忠則デザインのドクロ皿というカオス感が灘的だ。大きなガラス窓から道路の向こう側に目をやると賑わう王子動物園。観光客に見つめられてちょっと困った顔をしている旦旦が目に浮かんだ。
ぱんだかふぇ「
ぱんだらんち」
●場所
神戸市灘区原田通3-8-30 横尾忠則現代美術館 1F
●本日の昼ごはん
・グリル野菜のカレー
・サラダ
・コーヒー
1080円